治療院の法人成りのメリット・デメリット【メディックスメールマガジン】vol.170
2019年3月28日配信
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┃【メディックスメールマガジン】vol.170
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メディックスメールマガジンをご愛読いただきまして
ありがとうございます。
売上が増えてきた先生の中には、法人化(法人成り)を
考える方もいらっしゃると思います。
また、開業時に個人事業主として開業すべきか、
それとも法人として開業すべきかを悩む先生も
いらっしゃると思います。
今回は、メディックス・広報室から、治療院が法人成りすることの
一般的なメリット・デメリットをご紹介したいと思います。
■治療院が法人成りすることのメリット
◆経費の範囲が広い
法人のほうが個人事業主よりも経費として認められる
範囲が広くなるため、ある程度売上がある場合は
節税になる場合もあります。
例えば、
・個人事業主では所得控除にしかならなかった
生命保険が、全額または1/2が経費計上できる。
・個人事業主では経費計上できないため制度化が
難しかった退職金が経費計上でき、求人が有利になる。
・家族に支払う給与が要件無しで経費にできる。
といったメリットが生じます。
◆赤字繰越の期間が長く赤字の際に減価償却しなくてもよい
赤字の金額を繰り越して利益が出た年に相殺できるのは、
個人事業主も法人も同じですが、個人事業主の繰越期間が
最大3年なのに対し、法人では9年になります。
また、個人事業主は赤字でも減価償却費を計上しなければ
いけませんが、法人は計上してもしなくてもよくなり、
赤字金額の拡大を防げるようになります。
◆役員報酬の支払いで所得税が安くなる場合がある
個人事業主の所得税より、法人の役員報酬にかかる
所得税のほうがほとんどの場合安くなります。
その他にも、法人のほうが社会的な信用力が高まって
融資が受けやすくなったり、個人事業主として起業したあとに
改めて法人成りする場合は創業時の2年間の消費税免除が
さらに2年間受けられたりするメリットもあります。
■治療院が法人成りすることのデメリット
◆開業時にも廃業時にも費用がかかり手間が多い
個人事業主の開業届は0円ですが法人設立時には
定款の作成や登記が必要で費用も数十万円かかります。
廃業時も個人事業主は廃業届のみで費用がかかりませんが、
法人は解散登記でやはり数十万円が必要になります。
◆赤字でも最低7万円の法人住民税
個人事業主では赤字の場合、税金は発生しませんが、
法人では赤字でも最低7万円の法人住民税が発生します。
法人がある都道府県や市区町村によって税額は
変わりますが、東京都など通常は最低7万円です。
複数の市区町村に拠点がある場合や、資本金の額が
大きくなると税額も上がります。
◆社会保険・厚生年金への強制加入
個人事業主で従業員が5名以下の場合、社会保険は任意加入です。
しかし、法人の場合は従業員が1名でも強制加入となります。
その他にも、個人事業主では確定申告などのみで済んでいた
税務処理が、決算書を作成し税理士に依頼しての申告が
必要になるといった手間が増えたり、あまり関係ないかもしれませんが、
交際費が800万円までしか経費計上できなくなったりもします。
このように法人成りにはメリットだけでなくデメリットもあるため、
一旦法人成りした後に、再度個人事業主へと戻る方もいらっしゃいます。
個人での所得税率が上がる売上500万円を超えた際や、
消費税の納税免除が無くなる売上1000万円を超えた際などが
法人成りのタイミングと一般的には言われますが、
メリット・デメリットを慎重に考えて決断する必要があるでしょう。
ところで、個人事業主、法人ともに、締め支払いと入金の
タイミングは重要ですが、今年のゴールデンウィークは
10連休が予定されており、少なくとも金融機関は休みとなります。
4月26日(金)までに入金されればよいですが、入金されない場合、
5月7日まで10日間のスパンが空くことになります。
事前に余裕を持った資金計画を立てておくことが、
2019年のゴールデンウィークでは必要かもしれません。
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