4月からメール等でも労働条件の明示が可能になりました!【メディックスメールマガジン】vol.175

2019年5月9日配信 ◆━━━◆~おかげさまで創立30周年!~ ┃【メディックスメールマガジン】vol.175 ◆━━━◆━━━━━━━━━━━━━━◆ メディックスメールマガジンをご愛読いただきまして ありがとうございます。 今までは書面での交付のみだった労働条件の明示について、 4月から電子メールやSNS、FAXでの送信も可能になりました。 今回はこの「電子メール等での労働条件の明示」について ご案内してまいります。 ■そもそも労働条件の明示義務とは? 前回、アルバイトの解雇予告のお話をした際に、労働条件の 明示の必要性にも簡単に触れました。 労働契約を締結する際には、正社員以外のアルバイトや パートであっても労働条件を書面によって、 明示する義務がありました。 以下がその項目です。 a 労働契約の期間 b 有期労働契約の更新の基準 c 就業場所・従事すべき業務 d 始業・終業時刻、所定労働時間超えの労働の有無、   休憩時間、休日、休暇、2交代制等に関する事項 e 賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切・支払時期、   昇給に関する事項 f 退職(解雇を含む)に関する事項 この他、書面の交付は義務付けられていないものの、 明示の必要がある項目として、退職手当に関する事項や、 賞与や各種手当に関する事項など多数の項目が定められています。 この明示義務に違反すると、最高で30万円以下の罰金の 罰則が事業主に課せられる可能性があります。 上記a~fの明示方法は、これまで書面の交付に 限られていましたが、今年4月1日から労働者が希望した場合、 メール等での交付も可能となりました。 ■対象となるメールや、メール交付のルールは? 「メール等」とあいまいな表現になっていますが、 労働条件の交付に使える手段は細かく定められています。 1.FAX 2.EメールやWebメールサービス   (※Webメールは、Yahoo!メール、Gmailなどのことです) 3.SNSメッセージ機能   (※LINEやSNSのメッセンジャー機能のことです) 様々な手段での交付が可能ですが、第三者に閲覧させる ことを目的としている労働者のブログや個人の ホームページへの書き込みによる明示は認められません。 また、メール等での明示は、 「出力して書面を作成できるもの」に限られます。 これは印刷して書面にできる、と考えるとよいでしょう。 そのため、PDFファイルなどで書面を作成し、メール等に 添付する方法が推奨されています。 上記のようにファイルの添付が推奨されているため、 添付ができないSMS(ショート・メール・サービス)は、 禁止ではありませんが、望ましくないとされています。 そして、メール等での明示が認められるのは、あくまでも 労働者が希望した場合のみですので、労働者が希望していないのに メール等のみで明示することは労働基準慣例法令の違反となります。 やはり、最高で30万円以下の罰金となる可能性があるため、 注意が必要です。 ■その他、メール等での労働条件明示における注意事項 その他にメール等で労働条件を明示する際に 注意すべきことはあるのでしょうか? まず、メール等の場合、労働者の手元に届いたかどうか 不確実な場合があります。 途中の機器に不具合があった場合などがそうです。 しかし、労働者本人の端末に届いていなくとも、 労働者のメールサーバーまで届いていれば、 明示されたことになるようです。 しかし、実際は労働者のメールサーバーまで確認するのは 難しいため、送信に当たってはあらかじめ別のメールや 口頭で告知を行ったり、受信後も確認や返信のルール化を したりしておく必要があるでしょう。 また、受信したメールそのものや、PDFの労働条件通知書などは、 労働者が必ず印刷して手元に保存するように呼び掛けるのも、 望ましい方法です。 SNSなどでは添付ファイルの保存期間がある場合もあり、 過去のデータが失われる危険もあるので、その防止のためです。 メールや添付ファイルには、明示した日付や、事業所や法人名、 送信した担当者や対象の労働者の名前をしっかり記入することで、 トラブル防止につながります。 繰り返しとなりますが、労働者の希望がないまま、一方的に 労働条件をメール等で送ることは認められません。 必ず、個別にかつ明示的に労働者の希望を確認しましょう。 また、LINEなどの本文に、労働条件を細切れに明示することも 望ましくないため、PDFファイルの添付などにしましょう。 ルールは細かいですが、一人一人印刷した書面を 手渡ししていたことに比べれば、大きな効率化が図れます。 この機会に、メール等での労働条件の明示に、 ぜひチャレンジしてみてください。 治療院の業務効率化には、メディックス計算センターの 保険請求代行とレセコンの活用が効果的です。 請求代行サービスやレセコンの詳細については、 無料の接骨院開業セミナーでご説明しております。 下記よりお申込みください。 https://www.mdx-center.com/seminar/seikotsuin_kaigyo/?utm_source=20190509&utm_medium=mail ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【メディックスメールマガジン】はメルマガ会員の皆様に お役に立つ情報を発信し続けて参ります。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。